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患者 40歳フランス人女性
初診日 平成8年9月19日
既往歴 18歳の時に虫垂炎を手術。数年前よりアレルギー性鼻炎がある。
症状 主訴は、4~5年前から風邪を引くと気管支喘息になり、息苦しくなる。
ひどい時は行きも出来ないくらいになる。
とにかく、ゼイゼイヒューヒューが頻繁にでる。
義兄の医師よりテオロングをもらっている。この薬は今年の1月より服用しているが、副作用が心配で5月に半量に減らした。
今度は1週間前より風邪気味で、喘息も出現し、夜中にゼイゼイして息も出来ないほど胸苦しい。
その他の症状として、肩凝り、項背部の凝り、動悸、息切れ、背中が凝る、等がひどく軽い症状として、悪寒、寒がり、等がある。
健康状態 食欲は良好。なんでも食べる。大便は1日1回で軟便か下痢便。小便は普通。
睡眠は良い方だが、喘息の発作の時には眠れない。生理は順調。子供はいない。
体格は中等度で、少し痩せている。血色は普通で、皮膚の艶は普通。
身長157cm、体重47kg。診察すると、脈診は沈で底力をあまり感じない。
舌を診ると少し湿潤していて、白苔を認める。
腹証は、血圧133/81、脈拍は79。
9月19日(来院時)
漢方として、柴胡桂枝湯合半夏厚朴湯を投与して様子を診ることにした。
10月3日
具合が良い。血圧127/68、脈拍68。同方を投与。
10月17日
プールで泳いだ後に喘息が少し出る。同方を投与。
10月31日~12月25日
順調。同方を投与。
(平成9年)1月10日
喘息も完全に治ったようだと言う。しかしまだ心配であるから薬を飲みたい。
また、最近はアレルギー性鼻炎が出るようになる。同方を投与。
1月24日
順調。同方を投与。
2月7日
1週間前に風邪を引き、2~3日前より少し喘息の発作が出るようになる。
そこで柴胡桂枝湯合半夏厚朴湯加麻黄を投与。
2月21日
順調になる。同方を投与。
3月7日
順調。同方を投与。
3月21日
風邪を引いた。その後少し発作が出たが、直ぐに治った。同方を投与。
4月4日
プールで泳いだ時少し具合が悪くなる。同方を投与。
4月30日
全く完治したようだと言うので廃薬した。
国情の違いか、フランスのパリは高い所にあり、非常に乾燥している為、毎日ものすごい量の水分を撮るのが習慣になっている。
その為、日本に来ても水分を多量に取っていたため「水毒」になったと考えられるので、「飲料水を半分にするように」と言って理解を求めた。
患者はその意味についてよく判らないようであったが、ここは日本でフランスではない。
日本のことわざに「郷に入りては郷に従う」で東洋医学の考え方を懇切丁寧に説明してなんとか了解してもらった。
考えてみれば、患者としても自分自身の病気を治さなければならず、きっと背に腹はかえられなかったのであろう。
その後この患者は漢薬が好きになり、自分のご主人及び義母を紹介して来た。
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