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患者 35歳女性
初診日 平成7年4月22日
既往歴 幼稚園の時に猩紅熱に羅患。
症状 主訴は、結婚3年目で産婦人科で「不妊症」と診断を受け、卵胞刺激ホルモンを投与されて薬を飲んだが、卵胞は(少しは出来る)出来にくい体質と言われたため現在は服用していない。
又、便秘で難渋している。このため売薬の漢方製剤を使うこともある。
直ぐに胃と腸とが痛くなることがある。痛みは2ヶ月に1回ほどで、朝に薬を飲むと昼頃には治る。
その他の自覚症状について聞くと、めまいが日常的に起こる。肩凝りと項背部の凝りが激しい。
口の中が乾く。腹部の膨満感が激しく、心窩部の痛みがある。背中の凝りがある。腰痛も時々ある。
中等度の冷え性である。
健康状態 食欲は良好。なんでも食べる。小便は普通に良くある。
大便は3~4日に1回で硬めである。帯下はない。
身長158cm。体重52kg。
体格は中肉中背。血色は普通。皮膚の艶は良い方である。
見た感じは少し痩せている印象を受ける。
最後に患者に難問をぶつけてみた。「夫婦生活の時に何か人に言えないようなことはないか」と。
すると患者は観念したのか、話し始めた。「実は主人とセックスをする毎に痛くてしょうがない」と。
したがって我慢してお付き合いしている。夜が怖くてしかたがない。との由である。
診察すると、脈診は沈で渋っている。舌を見ると湿潤していて苔はない。
血圧101/55 脈拍は63。
4月22日(来院時)
漢方として、性交痛などを考慮して、折衝飲に大黄2.0gを加味して投与した。
5月6日
大便は出るが、快便ではない。と言うので同方に大黄を1g加味して投与。
5月20日
生まれて以来、初めての生理痛があった。
6月3日~7月20日
この間4回はなんともない。
8月5日
順調。同方に大黄5.0gとして投与。
8月19日・9月8日
投薬のみ。
9月29日
産婦人科に行ったところ、黄体ホルモンが減ってきた。
同方に大黄6.0gとして投与。
10月14日~12月20日
この間4回は投薬のみ。
(平成8年)1月28日
妊娠3ヶ月目であることが判明。便秘が3日に1回であるとのことで、
同方に大黄8.0gを加えて投与。
3月1日・4月24日
投薬。
以後来院しなくなったので心配になり患者の所に8月20日に電話をしたろころ 「予定日は1~2週間後である」という返事であった。 9月7日に患者の母親から電話があり「本日3240gの女児が生まれ、母子ともに健康でありお産は軽かった」 と言う報告を受けた。
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