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冷え性などでお悩みの方が(「患者層」を読む)、日本各地から来院される漢方専門の医院です。
ある年の8月の末頃、1人の婦人が当院に治療を求めて来院した。
この婦人の両親は、父親時代からの患者さんで子供の頃よりの顔見知りであった。
本人の語るところに依れば「自分は学校に勤める職業婦人で4年前に結婚したが今だに妊娠したことが無い」ということであった。
生理は順調であるが、基礎体温は不安定である。又、冷え症である。食欲・大便などは普段と変わりはなく、体型もほぼ普通である。
診察してみると、脈診は沈で少し弱い感じを受ける。舌を診ると特別な変化は認められない。腹証は瘀血を認める。
そこで、漢方は、当帰芍薬散科合桂茯丸料を投与した。
患者 44歳女性
初診日 平成4年3月14日
既往歴 特になし。
症状 主訴は、昭和51年と54年に普通分娩で出産した。
子供は元気で、上は男の子で出産時体重は3100g、下は女の子で出産時体重は2670gと軽かった。
その後、離婚した主人の方に2人の子供を残してきた。しばらく独身でいたが縁あって再婚し、平成元年に妊娠したが、産婦人科医から「子供はお腹の中で育たないであろう」と言われ中絶した。
今の主人との間にとにかく子供が欲しい。
今、現在医者から「両方の卵巣囊腫」と診断を受けている。そのためか知らないが時々37度台の発熱がある。
体中がほてるが、直ぐに治る。その他の症状は生理の1週間ぐらい前に心窩部の痛みがある。背中が凝る。
上肢・下肢に非常に冷感がある。寒がりである。
健康状態 食欲は良好。大便は1日に1~2回で、軟便。小便は近い方で夜間に1回ほどトイレに起きる。
生理は順調。睡眠は普通に眠れる。帯下はない。
診察すると、脈診は沈で底力があまり感じられない。舌を見ると湿っているが苔はない。
腹証は血圧129/73 脈拍は66。
患者 35歳女性
初診日 平成7年4月22日
既往歴 幼稚園の時に猩紅熱に羅患。
症状 主訴は、結婚3年目で産婦人科で「不妊症」と診断を受け、卵胞刺激ホルモンを投与されて薬を飲んだが、卵胞は(少しは出来る)出来にくい体質と言われたため現在は服用していない。
又、便秘で難渋している。このため売薬の漢方製剤を使うこともある。
直ぐに胃と腸とが痛くなることがある。痛みは2ヶ月に1回ほどで、朝に薬を飲むと昼頃には治る。
その他の自覚症状について聞くと、めまいが日常的に起こる。肩凝りと項背部の凝りが激しい。
口の中が乾く。腹部の膨満感が激しく、心窩部の痛みがある。背中の凝りがある。腰痛も時々ある。
中等度の冷え性である。
健康状態 食欲は良好。なんでも食べる。小便は普通に良くある。
大便は3~4日に1回で硬めである。帯下はない。
身長158cm。体重52kg。
体格は中肉中背。血色は普通。皮膚の艶は良い方である。
見た感じは少し痩せている印象を受ける。
最後に患者に難問をぶつけてみた。「夫婦生活の時に何か人に言えないようなことはないか」と。
すると患者は観念したのか、話し始めた。「実は主人とセックスをする毎に痛くてしょうがない」と。
したがって我慢してお付き合いしている。夜が怖くてしかたがない。との由である。
診察すると、脈診は沈で渋っている。舌を見ると湿潤していて苔はない。
血圧101/55 脈拍は63。
患者 24歳女性
初診日 平成2年10月24日
既往歴 特になし。
症状 某都立病院にて全身性エリテマトーデス(SLEと略称)という診断を受けた。
その後、J大学病院で難病指定を受けた。但し、後で混合性結合組織病(略称でMCTD。後述)と診断名が変わった。
主訴は、両手・両足にレイノー現象が出現し、6月(平成2年)に39度大の発熱を見た。
そこで心配になって、某都立病院で診察を受けた結果、前述ととおりSLEを診断を受けた。
自覚症状は、非常に疲れる。その他には眼精疲労がある。
健康状態 体温は平熱。食欲は正常。小便の出も悪くない。大便は1~2日に1回。
生理は順調。身長160cm。体重50kg。
診察すると、脈診は沈。舌を見ると特別な変化は認められない。
腹証は血圧100/54 脈拍は71。
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